事業家を目指す者にとって、面白い環境とは何なのか?

ーChatwork福田氏が語る、事業家人材にとってのファインディの魅力とは

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インタビュイー

福田 升二さん

2004年伊藤忠商事に入社。インターネット関連の新規事業開発・投資業務に携わる。2013年にエス・エム・エスに入社。介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」や介護職向け求人・転職情報サービス「カイゴジョブ」などを中心とする介護領域全体を統括する。2018年に同社執行役員に就任。2020年4月よりChatworkに入社し、2020年7月に執行役員CSO兼ビジネス本部長に就いた後、2022年4月に取締役COOに就任。

扇谷 勇多さん

2014年に新卒でマイナビに入社後、法人向けにクリエイティブ職の人材紹介を担当。その後、2017年にi-plugに入社し、OfferBox・新規サービスの法人営業マネジメントを経験。2018年に2人目社員として当社に参画。エンジニア向け転職サービスの立ち上げ、グロースを経験し、現在は執行役員として、社長室長兼事業責任者を担当。

マーケットの選定は間違いない。伸びるマーケットでいかに勝ち切れるかが勝負

― 福田さんはいつから、どのような背景でファインディの外部顧問を引き受けることになったのですか?

福田 2〜3年前からファインディに外部顧問という形で関わっています。代表の山田さんから直接コンタクトをいただいて、お話をお聞きしたことが始まりでした。ファインディの今後の展開を想定し、SaaSと人材業双方に知見のある人材を探されていたようでした。

外部顧問のご依頼をいただくことは非常にありがたいことではありますが、私の経験がその会社の事業を伸ばすことに貢献できないと意味がないので、私の中で3つのルールを決めてお引き受けするかどうかの判断をしています。

1つ目は「選定してるマーケットの筋がいいか」。2つ目は「マーケットの中で勝ち方のコンセプトがあるか」。そして最後に「社長含めた経営陣が素直であるか」です。

この3つの観点にファインディを照らし合わせると、エンジニアの不足というテーマは今後も続いていくものと考えています。よって、マーケットは間違いなく伸びるだろうと感じました。

そして、ファインディの特徴的な点として、スキル偏差値を通したエンジニアスキルの可視化とFindy Team+による企業の開発生産性の可視化を行っていることが挙げられます。個人と組織の両面に対してアプローチができることで、マーケットに対するアプローチの戦略的な幅が取りやすく、競合優位性が確保できると思いました。一つひとつのプロダクト自体も伸びていく素晴らしいものだと思いますが、それらを融合させることでより多くの課題を解決するプラットフォーマーになっていくという方針は、勝ち方が明確で魅力を感じました。

最後に、山田さんは強い意志を持ちつつもとても素直な方だと感じました。経営者として意志を貫き会社を引っ張っていく側面と、事業が成長するのであれば外部の意見を積極的に取り入れていくバランス感覚に優れた方だと感じます。

このように、ファインディは私の中で決めた3つのルールを満たしている会社だったので、喜んで外部顧問をお受けしました。

― 具体的にはどのような関わり方をされていらっしゃるのですか?

福田 週次で1時間程度、事業責任者のメンバーを中心にディスカッションをしています。

どの事業部に特化するわけでなく、その時々に生じている課題によってフォーカスする事業部は変更しています。例えばFindy Globalの立ち上げフェーズをお手伝いしたり、ファインディ全体の戦略策定や組織設計、直近ではFindy Team+のグロースなど幅広く関わらせてもらっています。

扇谷 福田さんからお話いただいた通り、直近では事業責任者とのディスカッションを中心にお手伝いいただいていますが、より上流の経営戦略におけるアドバイスもいただいています。

その際は、代表の山田や私含めた経営陣とのディスカッションをお願いしています。福田さんは、前職であるエス・エム・エスさんや現職のChatworkさんにおいて事業成長を牽引されてきている方です。両社とも上場されていて、私たちより先のステージにいらっしゃる会社です。

だからこそ、福田さんのご経験に基づくアドバイスは、経営陣含めた弊社メンバーの視座を高めていただける非常にありがたいものとなっています。

またファインディで新たに導入を検討しているツールがあった時などに、その会社のキーマンの方をご紹介いただくこともあります。

このようにかなり深く関わってくださっているので、ファインディの各事業に対してクリティカルなヒントをいただけることが多く、まさに外部のCOOのようなイメージで色々とご相談をさせていただいています。

― 福田さんがファインディをお手伝いすることになった背景、具体的な関わり方については理解できました。外部からご支援されている立場として、ファインディの現在のフェーズと今後の可能性についてどうお考えですか?

福田 ファインディのサービスに登録してくれている優秀なエンジニアの方々や、エンジニアを採用したい企業のアセットを上手く活用していくだけでも十分に成長できる会社だと思っています。

一方で今以上に成長を加速させるためには、まだまだ事業面でも組織面でも未完成な部分が多いフェーズだと感じます。スクラップ&ビルドを繰り返し、戦略やオペレーションを磨き込んでいく必要があります。

その上で、Findy Team+は今後のファインディの成長を左右する非常に重要なプロダクトだと捉えています。優秀なエンジニアを採用して終わりではなく、採用後に活躍し定着する組織を作ることは重要です。それを支援するアプローチとして、企業の開発生産性を可視化し、改善を促すことは非常に的を得ていると感じます。

私自身もChatworkの経営陣として感じることですが、エンジニア個人のパフォーマンスや組織の開発生産性はブラックボックスになりがちです。それが可視化できれば、定量的にPDCAを回し、個人の成長や組織の活性化、ひいては会社の成長に最短で繋げることができます。このような背景から、人材マッチングの領域で強いポジションを持っているファインディが次のステージへ進むためには、Findy Team+が鍵になるだろうと予想しています。

扇谷 福田さんのご前職であるエス・エム・エスさんも、人材マッチングとSaaSによるビジネスを中心に成長されていらっしゃる会社だと認識しています。領域は違えど、ファインディのビジネスモデルと近しい部分があることを感じています。このように、近しいビジネスモデルのグロースを実際に牽引されてきた福田さんだからこそ、ファインディの今後の成長を解像度高くイメージしていただけているのだと感じます。

福田さんがおっしゃる通り、ファインディの今後の成長の鍵となる部分は、基盤である人材マッチング領域とFindy Team+の連動にあることは私たちも感じています。このシナジーを最大化するためには、当たり前ですが人材マッチングの領域においてもファインディが価値を発揮し続ける必要があります。人材マッチングの領域だけでもまだまだ伸び代が多い市場ですので、よりファインディが存在感を示せるよう努力していきます。

― ファインディの成長性については理解できました。先ほど、競合優位性の観点についてお話がありましたが、具体的にどのような点がファインディの強みになると考えられていますか?

福田 中途採用、フリーランスの採用等、単一の採用領域で優れたサービスを持っている会社はいくつかあると思います。一方それらを全て自社内に持ち、かつ組織側の課題にもアプローチするプラットフォーマーはファインディのみだと思います。

先ほどもお話した通り、各種人材マッチングのサービスがきちんと機能しながら、Findy Team+で組織の開発生産性の可視化ができる。これが上手く融合させられれば、開発生産性が高い組織をスコアで判断できるようにし、求職者の方々にレコメンドすることなどもできるようになります。

このように、アプローチできる課題が多ければ多いほど、各事業のシナジーが効きやすい構造になるため、独自性・競合優位性が積み上がっていくイメージです。ファインディがきちんと売上利益を積み上げ、成長し続けることは確実だと思っていますし、寧ろ世の中にどれだけの価値を提供し、どこまで規模化できるかが楽しみです。

既に転職・フリーランス関連サービスでは、非常に優秀なエンジニアが多数利用しており、クライアント側も今後伸びるであろう有望な企業とお付き合いできておりそれが拡大しているからです。一方ファインディはより大きな可能性を持った会社だと思っています。

人材領域のみで勝ち切るのはもはや当たり前のレベルです。サービスのラインナップを増やし、このマーケットに存在する課題をいかに多面的に解消できるかに焦点を当て、唯一無二の存在になるべき会社だと思っています。

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会社のステージが変わる時の要因は「採用」にあり。ファインディの本来の姿をどこまで伝えられるかが勝負

― 福田さんはChatworkのCOOとしてメディアに出られることも多いかと思います。各種メディアで「事業家」として福田さんがお話されている姿をよく目にしますが、事業家目線でのファインディの面白さはどのような点にあると思われますか?

福田 実はファインディってまだ100名を超えたフェーズなんです。このフェーズで、Findy、Findy Freelance、Findy Team+、Findy Globalと4つの事業を持っている会社はあまりないと思います。100名規模のグロースフェーズの会社であれば、1つの事業に集中するのが通常です。

なぜなら、限られたリソースを上手く配分し各事業を同時に伸ばしていくことが難しいからです。ファインディはこの難しいことにチャレンジをしています。これは、先ほどお話したファインディの勝ち方のコンセプトを体現するために必要な流れとも言えますが、大きな要因としてはファインディのカルチャー面が起因していると思っています。

山田さんは、とにかく任せるというスタンスを徹底されています。任せる相手は、若手であれシニアな方であれそれは同じです。もちろん事業として筋が良いか等の判断はした上で、先に進められそうなアイデアはまずやってみるというカルチャーがファインディには根付いていると感じます。このカルチャーは、事業家として成長したいと考えられている方にとっては非常に有利だと思いますし、面白さに直結するものと考えています。

また、各事業に伸び代がたくさんある点も面白さと言えます。例えば主軸サービスであるFindyを考えても、エンジニア採用市場全体を見ればまだまだ小さい規模です。一定の認知度があり、ポジションが確立されつつあるFindyでさえこれからいくらでも成長余地があるフェーズなのです。

成熟した市場で完成したサービスを扱うよりも、今後も成長する市場で伸び代が大きいサービスを扱う方が打席に立てる回数も多いはずなので、事業家にとっては面白いと感じるのではないでしょうか。

扇谷 とにかく任せるスタンスや、市場における事業の伸び代についてはまさにおっしゃっていただいた通りだと感じています。Findyだけを見てももちろん伸び代は大きいものがありますし、引き続き新規事業の立ち上げも積極的に行っていく予定です。実際に今立ち上げ期の事業もありますが、それは20代の若手メンバーがオーナーとして進めてくれています。

また弊社の中で最も規模が大きい事業であるFindyの事業責任者は30代前半のメンバーですし、私自身も20代で事業責任者を経験させて頂きました。このことからも、ファインディは年齢を問わず各ポジションにアサインするというカルチャーが体現されていることをご理解いただけるかと思います。

― エンジニア採用市場全体で見れば、Findyですらまだまだ伸び代があるということですが、他の事業についてはいかがでしょうか?

福田 例えばFindy Team+は「まだ存在しない市場を作っている」サービスです。組織の開発生産性を可視化するというアプローチは、日本国内においてはFindy Team+がパイオニアだと思います。パイオニアであるということは、既にある市場でグロースさせるのではなく、市場がない状態から切り開いていかないといけないということです。故に、他サービスとは異なる戦い方が求められます。既存市場の中でいかにシェアを広げられるかという勝負と新規市場を作り出せるかという勝負を、一つの会社でどちらも経験できる点は非常に面白さがあると感じます。

― 各事業がいかに面白いフェーズで、伸び代があるかという点は理解できました。一方で組織面において鍵となるポイントはどこにあるとお考えでしょうか?

福田 「採用」に尽きると思います。これだけ伸びるであろうマーケットで売上が数十億規模の事業を作ることはできて当たり前です。ファインディはそれ以上のポテンシャルを秘めた会社だと思っています。そのポテンシャルを最大限引き出すために重要なことはとにかく「採用」です。

これは私自身が何度も経験してきたことですが、会社のステージが変わる時の要因は「採用」なんです。全てはどういう人材を巻き込んで成長させていくかということにかかっていると思います。

― 率直に、福田さんから見た採用におけるファインディの課題はどこにあると思われますか?

福田 ファインディの目指すべきところを言語化し、表現する力にはまだまだ課題があると思っています。今までお話してきた通り、ファインディには他社にはない魅力が詰まっていますが、実際に携わってみないと理解できなかった部分もあります。

採用という観点では、その魅力を入社前に候補者の方に理解してもらう必要があります。

つまり、ファインディの描くビジョンや戦略を、誰もが理解できてかつワクワクするようなものに翻訳しなければならないということです。ファインディには、理解してもらえれば必ず魅力的に感じてもらえる武器がたくさん存在しているので、それを採用面でどう料理するかという部分に伸び代があると考えています。単なるエンジニアの人材エージェントではないファインディの本来の姿を皆さんに知ってもらえると良いだろうと思っています。

― 扇谷さんは今の福田さんのお話を聞かれて、どのようにお感じになられますか?

扇谷 福田さんがおっしゃる通り、面談や面接を通して直接お伝えできればわかっていただけるものの、まだそれを体系化し表現できる状態まで至っていないと思っています。

福田さんはChatworkさんの採用においても力を発揮されている方なので、採用面の相談にも日々乗っていただいています。

私が社長室長として採用を管掌することになったのは、2023年に入ってからで、それまでは事業側を管掌していました。事業側を管掌する立場として以前から福田さんとお話する機会をいただいていましたが、世間で”戦略家”と言われている福田さんが「採用が最重要」だとおっしゃていたことが非常に印象的でしたし、自身の価値観や考え方にも大きな影響がありました。

サービスやプロダクトの筋が良くても、それらを伸ばす優秀なメンバーが揃っていないと成長し続けることが難しいという話を何度も福田さんからしていただきました。

そのアドバイスが、現在社長室で”全員採用”と謡いファインディの採用力向上にコミットしている大きな理由になっています。

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日本で成功することは大前提。グローバルで活躍する会社への成長を期待したい

― 福田さんが今後ファインディに期待したいことはありますか?

福田 ファインディという会社がなければ、各企業がエンジニア採用や組織のパフォーマンスを維持できないという世界を作ることは大前提かなと思います。

加えて、グローバルで活躍できる存在になってほしいと思っています。日本国内のマーケットも一定の規模はありますが、エンジニアの需要は世界規模で加速しています。日本と海外のエンジニアや企業がファインディを通して繋がり、それによって日本という国がより豊かになる状態を目指してほしいと思います。今後必ず、国境を越えた人材の流動性は高まるはずです。いずれ起こるのであれば、それを待つのではなくこちらから波を起こす存在であってほしいです。

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