「曽山さん、組織成長に必要なことって何ですか?」

ファインディ社員がサイバーエージェントCHOに投げかけた3つの問い

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ゲスト

曽山 哲人さん

株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO

上智大学文学部英文学科卒。高校時代はダンス甲子園で全国3位。1998年に株式会社伊勢丹に入社し、紳士服の販売とECサイト立ち上げに従事。1999年に当時社員数20名程度だった株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。現在は常務執行役員CHOとして人事全般を統括。キャリアアップ系YouTuber「ソヤマン」としてSNSで情報発信しているほか、「若手育成の教科書」「クリエイティブ人事」「強みを活かす」などの著作がある。

質問者

1人目:谷 鴻佑さん

Findy 転職事業部 副部長

レイスグループにて、新規営業やECコンサルティングを担当。その後、不動産TechのHousmartでの営業企画を経て、2021年9月よりSales & CSとしてファインディにジョイン。現在は、Findy 転職事業部 Sales、CSのマネジメントに従事。

2人目:山内 貴之さん

Findy Team+事業部 Inside Sales 兼 Field Sales チームリーダー

株式会社クラウドワークスで新規事業開発から事業部統括を行い、2023年9月よりFindy Team+Salesとしてジョイン。現在はフィールドセールスとインサイドセールス両面のマネジメントに従事。

3人目:浜田 直人さん

プロダクト開発部 Team+開発 副部長

SIerで約9年間BtoBのWebアプリケーション開発やデータ分析基盤の開発・運用など様々な案件に携わったのち、株式会社カカクコム、HR tech系スタートアップを経て、2022年5月にファインディ株式会社にジョイン。現在は「Findy Team+」開発の副部長として開発をリードしつつチームマネジメントに従事。

社員研修の一環として実施している「Findy Session」。毎回社外ゲストをお呼びし、従業員に対し、新たな視点や気づきを提供することを目的として定期的に実施しています。

今回は、株式会社サイバーエージェントのCHOを務める曽山さんをゲストにお招きし、質疑応答形式にて実施しました。

日本を代表するメガベンチャーが経験してきた過程を、ファインディの未来に活かしたい

司会 皆さんよろしくお願いします。今日は「サイバーエージェントに学ぶ、組織成長のためのチームビルディング」というテーマで、ゲストに曽山さんをお迎えしセッションを行います。サイバーエージェントが成長の過程で、どのような組織課題に直面し、どのように改善されてきたのかを私たちが先んじて認識しておくことはとても大事なことだと思っています。

皆さんのこれからに活かしてもらえればと思っていますので、よろしくお願いします。

曽山 ファインディの皆さん、今日はよろしくお願いします。サイバーエージェントの曽山です。私は今、サイバーエージェントのCHOを担いながら、「CyberAgent Legit」というダンスチームのオーナーを務めています。

私は1999年、サイバーエージェントが2年目のタイミングでジョインしました。当時の従業員数は20名でした。入社後は法人営業を6年経験し、30歳になった年に人事になりました。

そこから現在に至るまで19年、人事を担当しています。本日は皆さん、よろしくお願いします。

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司会 曽山さん、ありがとうございます。それでは早速、セッションを始めていきます。

今回は代表として3名から曽山さんに質問をしてもらいます。

圧倒的な事業成長をするために個々の達成意欲をレベルアップさせるには?

ファインディ 谷 曽山さん、よろしくお願いします。

ファインディは今大きく組織が拡大しており、200名前後の規模になってきています。組織が大きくなることは素晴らしいことである一方で、従業員1人1人が主体性を持ちながら組織をリードしていくというマインドは、組織規模の拡張と反比例になってしまうのでは?と懸念しています。組織規模の拡張と従業員が主体性を持ち続けることの両立について工夫されたことがあれば教えてください。

もう1点、ファインディの従業員は、「いい人」が多くマイルドなカルチャーが良さだと感じています。このカルチャーを維持しながら、急成長を目指す上で注意すべき点があれば教えてください。

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曽山 谷さん、ありがとうございます。

まず皆さんにお伝えしたいこととして、皆さんはファインディの「最初の200人である」ということです。ファインディがこれから1,000人、5,000人の会社になっていくとしたら、この200人というのはめちゃくちゃ早いタイミングで入社したことになるわけです。まずそれを皆さんに認識いただいた上で、お話ししていければと思います。

「自分が組織をリードしていくんだ」という主体性がどう生まれてどう消えるのか。

結論、組織の人数が多いと主体性は減るんですよね。それを防ぐには「小さい集団でマネジメントを行う」というのが鉄則です。そして、意思決定の権限をできる限り渡していくことが重要になります。では、この「小さい集団」とはどの程度の規模感がベストなのか。大体5〜6人程度が良いと思います。

そして、私の場合は「ユニットアプローチ」と呼んでそれを活用しています。例えば、今のファインディを5〜6人のユニットに分けていくと、40個前後になります。それらを縦軸に並べ、横軸にファインディが大事にしたい要素、例えば「カルチャー」や「主体性」であるとかをいくつか定義します。

そしてユニットごとに各項目の「天気」をつけていくんです。そうすると、全てが晴れのユニットもあれば逆に雨の部分も可視化される。基本的には雨の項目が多いユニットを優先的に支援していくわけです。このアプローチを通して、組織の主体性を保ちつつ、カルチャーを大事にし続けたいのであればそれをユニットごとに体現できているかを確認することが良いかなと思います。

ファインディ 谷 ありがとうございます。ユニットアプローチを導入しようとすると、当然その数だけマネジメントレイヤーが必要になってくると思います。組織規模の拡大とマネジメントレイヤーの育成、そして数を担保することを両立することが難しくなってくるようにも感じるのですが、いかがでしょうか?

曽山 ありがとうございます。サイバーエージェントが200人程度の規模感の時は、マネージャーの教育はほぼゼロでした。従って、組織規模が400人程度に育ち、マネージャーの数がより増えてくると、マネージャーのやり方がバラバラすぎて、上手くいっている人とそうでない人がはっきりと分かれてしまうようになりました。

そこで私たちは経営陣とマネージャー陣で1泊2日の合宿をしたんですね。マネージャーとして期待する役割や重要なスキル等を議論しました。ここで大事なことは「定義のズレ」をなくすことです。スキルは習熟するのに一定の時間がかかります。

一方で、マネージャーの定義がすりあっていれば、お互いに指摘がしやすくなり、プレイングばかりに走ってしまう人や、育成ばかりフォーカスしてしまう人などのばらつきが減っていくわけです。マネージャーの育成は一朝一夕にできるものではないからこそ、このやり方はおすすめです。

ファインディ 谷 ありがとうございます。ちなみに、実施された合宿の中で具体的にはどのような定義がなされたんですか?

曽山 参加者に対して社長の藤田が「マネージャーに求められる役割とは何か?」と問いかけたんです。私も含め、参加しているメンバーみんなで洗い出して共有していきました。それらを踏まえ、藤田が言ったのは「マネージャーの役割は、組織の成果を出すことだ」と。メンバーの育成もモチベーションアップも全て成果を出すための手段でしかない。いくら仲が良いチームを作っても成果が出てなければ評価しないと言い切ったんです。

それが、今のサイバーエージェントにおいても引き継がれる定義になっています。

組織拡大にあたりマネジメント層を増やすには?

ファインディ 山内 曽山さん、よろしくお願いします。今日は2点ご質問させてください。

ファインディには日々たくさんの方が新たに入社してくれています。その上で今後「マネジメント層の不足」という課題に直面してくるのではないかと考えています。

そこで1点目のご質問として、マネジメント層を目指したい人に対して、会社が支援できることは何か?という点をお聞きしたいです。一般的な「マネジメント研修」のような座学のアプローチ以外で、より実践的なアプローチの方法がないのかと考えています。

2点目ですが「スペシャリストタイプの方のキャリア支援について」です。

よくあるキャリアステップとしては、やはりプレイヤーからマネジメント層に役割が変わっていくことが是とされている風潮があるかと思います。従って、スペシャリストとして活躍し続けていただいた方が会社としても個人としてもメリットが大きいのにも関わらず、無理にマネジメント層を目指すといった構図になってしまい、ミスマッチが起こりやすいのかなと思います。このミスマッチにどのような対処が適切なのかを教えてください。

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曽山 山内さん、ありがとうございます。急成長フェーズの会社が伸び悩んでしまう大きな要因は、やはりマネージャー育成なんですよね。その上で、1点目の研修以外のアプローチについては「トレーナー・トレーニーの構造を作ること」です。

新しい方にご入社いただいたら、基本的にはまずプレイヤーとして個人の成果をきちんと出していただくことを期待しますよね。そして次のステップは「トレーナーとして、トレーニーと2人で成果を出してほしい」と期待を伝えるわけです。

この「2人で成果を出してほしい」という伝え方がとても大切な要素になります。というのも「トレーナーを任せたい」とだけ伝えて期待役割をきちんと定義しなかった場合、トレーナーがトレーニーに対してティーチングが目的になってしまったりして、本来の目的である「組織で成果を出すこと」が置いてけぼりになってしまうことがあるんです。

どのような言葉を用いて役割を任せるかによって、動きが大きく変わるということを数多く経験してきていますので、参考にしていただければと思います。

ファインディ 山内 とても参考になります。曽山さんがお話しされた「2人で成果を出してほしい」という伝え方をした時に、例えば売上のような定量的な成果を追求する姿勢というのは担保しやすいのかなと思いました。

一方で、マネジメント層に求められるもう一つの要素として「マインド面」もあるのかなと思っています。このマインド面についてはどのようにお考えでしょうか?

曽山 山内さんがおっしゃられたことはまさにで、サイバーエージェントも基本的にマネージャーには「人望」と「人間性」が優れていないと絶対に昇格させないと決めているんです。主観的にはなりますが、担当部署の役員や部長、周囲の同僚や人事からその人がどう見られているか、という点をきちんと見にいくようにしています。

トレーナー・トレーニー制度を用いることで、そういった人間性の部分も可視化されやすくなるんですよね。

ファインディ 山内 ありがとうございます。すごくイメージができました。

曽山 続いて2点目にいただいたご質問ですが、誰もがマネージャーに向いているわけではないですよね。スペシャリストとして活躍していただいた方が会社にとっても個人にとっても有益だというケースはたくさん出てきます。そのような方々に対してどのようにアプローチしていくかという点ですが、まず1つは「マネジメントを経験することで得られるメリット」をご本人に明文化してもらうことです。

マネージャーになることで何を得たいのか?そのために何をすべきなのか?そしてそれを行うに際して自身の強み・弱みがどのように影響するのかといったあたりを客観的に書いてもらい、対話をすることが重要です。そのプロセスを経ることで、ご本人が「マネジメントよりもスペシャリストの方が自分には向いていそうだ」と気づくことが多々あります。

また、対話を通して弱みの部分をきちんとすり合わせることで、マネージャーになった際のデメリットや苦労を一緒にイメージし、示唆してあげることも可能になります。経験上、この「書いてきてもらう」という点は結構重要だったりしますね。

新しくジョインされた方にどこまで役割をお任せしていいのか?

ファインディ 浜田 曽山さん、よろしくお願いします。私は開発組織に所属していますが、ちょうど今後の組織をどう作っていくか検討しているタイミングだったので、今までのお話はとても参考になりました。ありがとうございます。

私からは、新しくジョインされた方にどこまで役割をお任せしていいのか?という点について、ジュニア層とシニア層に分けてご質問させてください。

開発組織も順調に組織規模を拡大しており、以前であればシニア層の方を中心に採用を行っていたのですが、現在は育成することを前提にジュニア層の方の採用も進めている状況です。

新しくジョインいただく方々にチャレンジングな環境をご用意したいと思っている一方で、どうしても既存メンバーの目の行き届く範囲と言いますか、サポートありきという状況になってしまっており、チャレンジングな環境を十分に提供できていない気も個人的にしています。

このような状況を踏まえ、新しくジョインいただくメンバーの方に対して役割をお任せするコツがあれば是非教えていただきたいです。

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曽山 浜田さん、ありがとうございます。いわゆる新入社員個人の成長と組織成長のバランスと見極め方という部分ですよね。

1つのパターンとしては「何をやりたいか、どこまでやれるかをご本人から言ってもらう」というものです。上長の方が、新しいメンバーの方にどこまで役割を渡していいのか悩んでしまって動きが止まってしまうということはよくあるんですよね。であれば、シンプルにご本人から進言してもらって、その範囲でお任せしていくという方法があります。

もう1つは、上長の方から思い切って「これをやってもらいたいんだけど、どうかな?」と問いかける方法です。まずは上長の方からやってもらいたいことをインプットします。

インプットした上で「あとはよろしく」と放任するのではなく、進め方であったり実際にできそうか?という点を新しいメンバーの方から書いてきてもらい、アウトプットしてもらいます。アウトプットしてもらうと「難しそうだけど、まずはやってみます!」だったり「スキル的に難しいと思います」であったり、リアクションを返してもらうことができるので、そこで一定の見極めができます。

マインド面が障害になっているのか、スキル面が障害になっているのかなど、やってもらいたいことを進める上でそれを拒んでいる要素をまずは上長も認識をし、一緒に障害を排除してあげる。この「障害の排除」という点がとても重要になります。

ファインディ 浜田 ありがとうございます。インプットとアウトプットを繰り返して、障害を排除することが大切という点は早速意識してみようと思いました。

曽山 ありがとうございます。今お話ししたアプローチは、特にジュニア層の方には有効かなと思っています。一方で経験のあるシニア層の方については、スキルレベルも高いと思うので、組織の信頼を勝ち取るスピードや順応することもジュニア層と比較して早いことが想定されます。この場合何が起きやすいかというと「ご本人のキャリアについて対話する機会」というのが減ってしまう傾向があるんですよね。

そうなると、実はご本人としては今の業務が少しマンネリ化していて環境に満足できていないだとか、本当はチャレンジしたいことがあるんだけど伝えられていない、などのフィードバックをもらうことができなくなってしまい、活躍していた人材が突然退職してしまう等の問題が起きやすくなってしまいます。

これを防ぐために、例えばですがそのシニア層の方より経験のある役員などが、半年や年に1度、緩くでも良いので対話する機会をサイクルとして設けておくと良いと思います。これによりトラブルの原因を事前に把握し、先んじて適切な対応を取ることができるので、おすすめです。

チャットでのフリー質問&クロージングタイム

質問1 トップダウンではなくマネージャー相互がお互いを支援する仕組みとして効果的なものを教えてください。

曽山 「マネージャーの定例会で困っていることを出し合う」ということです。同じようなポジションの人たち4〜5人で集まって、作戦を一緒に考えるイメージです。私がよくやることは「1分チャット」という方法です。

例えばZoomを使って実施する場合、私が悩んでいることを参加者に共有し「1分で思いついた解決策をチャットに投稿してみて」とお願いするんです。そうすると、大体自分が思いつかなかったアイデアが出てくることが多く参考になります。

質問2 人間性に関するフィードバックはどのようにされていますか?

曽山 例えばプレイヤーとしてはめちゃくちゃ成果出すんだけど人望がない人がいたとします。そのメンバーから「曽山さん、なんでこれだけ成果を出しているのに、私はマネージャーになれないんですか?」と聞かれたら、キラー質問で「誰がついてくる?」と。この問いかけをすると、その場で「うっ」と止まってしまうパターンが1つ、もう1つが「〇〇と〇〇はついてきます」と名前が出てくるバターン。

こちらの場合は「他にいる?」と聞きます。そうすると追加で名前が挙がってこないことが多いです。マネージャーになるためには、たくさんの人が自然とついてくるような人にならないと難しいという点を理解してもらえれば良いのかなと思います。

司会 本日は、ファインディの今後の組織成長のため、日本を代表するメガベンチャーであるサイバーエージェント曽山氏にご経験を元にお話をいただきました。ファインディの社員が今抱える課題に対して、具体的かつ示唆のあるアドバイスをいただいたと思います。本日は、お時間を頂戴しありがとうございました!

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